お名前:八木橋 寿美子さん
私は、呼吸法を学び始め20日後に第2子を出産しました。
この出産に役立てられるのではないか、という期待も呼吸法を学ぼうと思った動機の一つでした。
長女を出産したとき、他の人に比べると安産だったため「今回の出産もなんとかなる」と思っていました。
しかし、出産予定日が近づくにつれ、出産に対する恐怖心は強くなり、「痛いんだろうな、つらいんだろうな」、と日々考えるようになっていました。
出産に関する書籍を読んだり、最近出産した友人たちにアドバイスを求めたりしましたが、私が安心できる言葉はなく、逆に恐怖は増すばかりでした。
出産前夜、産院のベッドで一人眠れずに過ごしていました。
眠った方がいいはずなのに、心が落ち着かずそわそわとしていました。
そこで、「数える呼吸」を行うことにしました。
出産目前のお腹に手を当てて腹式呼吸を意識し、「吐いて」「止めて」「吸って」の1呼吸を10分ほど続けました。
その間、つらかった陣痛の思い出や、恐怖心をあおる言葉など、浮かんできた雑念を一つ一つ丁寧に手放しながら、呼吸に集中しました。
そして呼吸法を終え意識を戻したとき、恐怖心は消え、全身はリラックスし、優しい思いに包まれました。
そして私の心に残っていたのは「赤ちゃんに会いたい」というシンプルな思いでした。
この経験から、恐怖心は外からの情報を自分で増幅させた妄想、と捉えるようになり、呼吸法を通じて、自分が心から思っていることと向き合うことができるようになりました。
出産という大きなイベントで呼吸法を生かすことができ、日常のちょっとしたことも、呼吸法で対処できるようになってきました。
そのたびに安心できたり、感謝の気持ちに出会えたり、うれしい効果を感じています。