お名前:伊藤 順子さん
私はピアノの講師とミュージックセラピストをしています。
最近、弾いたり歌ったり説明しているうちに呼吸が苦しくなり、慌てた感じの話し方になってしまう事が気になっていました。
そこで、もっと楽に、ゆったりしたやり取りがしたい、仕事や生活に余裕を持ちたい、と思い呼吸法を学ぶ事にしました。
私のピアノの生徒に、小さい頃から楽しんで習いに来ている音楽好きなT君がいます。
ところが中学生になり、部活や試験などで、来る度「疲れた~」と言うようになりました。
曲に取り組むのに時間がかかり、お互いのやりとりもぎこちなく感じられ、何とかしたいなあと思っていた所でした。
そこでまず、「彼を受け止めてあげられるように私自身を整えよう!」と思い、彼が来る直前に「緩める呼吸」をやってみたのです。
吐く時に出す大きな野太い声は、脱力とすっきり感を同時に味わえます。
すると「何とかしなきゃ」ではなく「今日はゆっくり彼のペースにつき合おう」という気持ちになり、その日、T君とは最後まで笑顔でやり取りが出来ました。
そして帰り際に、いつもなら「ああ疲れた」と言って終わる生徒の口から「楽しかった」という言葉を聞いた時、呼吸法を知っていて良かった!と強く思いました。
呼吸法で整えた私の状態が、こんなにも人にいい影響を与える、というのを実証でき、嬉しかったです。
ミュージックセラピーの場では、始まる前に、アシストして下さる施設職員の方と一緒に、別室で「数える呼吸」をやってみました。
普段、全員が慌ただしく動いている所ですが、やったあと「スッキリして、なんだか休憩後のようです」と笑顔で言われ、私を含め、落ち着いた気持ちで、しかも意欲的にセラピーを進める事ができました。
終わったあとも、職員の方達が「呼吸法いいですね、落ち着きます!」と話しかけてくれたので、とても嬉しく、今後もしっかり伝えていこうと思っています。